「イギリスって、古い街並も綺麗だし、紅茶も美味しいし素敵な場所でいいね〜。でも、食べ物は不味いよ」
「私がロンドンに留学してた時は、ホストファミリーの食生活に付いて行けなかった。肉・じゃがいも・グリーンピース!って感じよ」
「イギリスのレストランは不味くて高いので有名よ!マックでもセットで注文したらとんでもない値段になるんだから」
サンフランシスコを離れる前、周囲の友達から散々脅され、自分でもそれなりに腹を据えていました。
が!!
いざ来てみると、思いの外美味しいものが溢れていてビックリ!
確かにハズレの店も沢山あるのかもしれませんが、ここ数年でイギリスの食文化は飛躍的な発展を遂げた模様。
アメリカと同じく肥満が社会問題化した結果、最近は学校給食をはじめ、食を見直そうという動きが活発になってきているようです。
中でも、ここBorough Marketを訪れた時の感動といったら。。。
あちらにも
こちらにもオーガニックの看板。
サンフランシスコも全米の中ではオーガニックが最も普及している場所でしたが、ロンドンもそれに匹敵、いや、それ以上かもしれません。
元々、アロマテラピーやホリスティック医療が盛んな場所というのも理由のひとつなのでしょう。
狩猟が盛んなイギリスだけに、ジビエ(野禽類)を扱う肉店も。
毛皮を呆然と見つめる子供達を脅かそうと、店のおじさんがネット裏から毛皮を突然突いてみせてくれたりします。
数ある試食の中でも思わず唸ってしまったのが、このチーズ。
Stichelton(スティチェルトンって発音するのかしら?)。
Stilton(スティルトン)はイギリスの青カビタイプのチーズで、フランスのロックフォール、イタリアのゴルゴンゾーラと並ぶ世界3大ブルーチーズとして有名ですが、Sticheltonって???
と思い調べてみたところ、SticheltonもStiltonと殆ど同じタイプのチーズで、低温殺菌処理していない生乳で作ったものがSticheltonと呼ばれるそうです。
これ迄食べて来たブルーチーズに比べ、明らかにマイルドでクリーミー。
大地に生える牧草の香りがして、癖になる美味しさです。
この日はバレンタインデー前ということもあり、花屋の店先はラブリーモード全開でした。
戦利品。
胡桃入りル・ヴァン(写真右手)にSticheltonチーズを乗せ、更にその上にフィグスプレッド(無花果のジャム。写真真ん中)を乗せて頂きました。
オーガニック玉子は、6個入りを2パック買って3ポンド。
いつもスーパーで購入するオーガニック玉子は10個入りで3ポンドだから、それよりお得じゃない!
と思ってお店のおばさんに訊いてみると、
「形が不揃いだからよ。でもオーガニックで味は最高よ!パンケーキにすると美味しいの!!」
と、何故かやたらパンケーキを作ることを勧めてくるおばさん。
「玉子掛けご飯やオムレツで食べると最高よ!」
と言われればまだ分かる気がするのですが、何故パンケーキ???
このおばさん、よっぽどパンケーキが好きなんだろな。
取り敢えずお鍋の後のおじやに使ってみたのですが、黄身がオレンジ色でとても美味しかったです。
これまで、スーパーで買う玉葱がハズレ続き(剥いても剥いても瑞々しくない)だったのですが、マーケットで買ったものは流石に新鮮でした。
ヨーロッパや中東の美食が集結した、活気溢れるBorough Market。
様々な国からやって来た売り手・作り手達が、母国語訛りの英語で自慢の品を売る姿はとても生き生きしていて、そういう人達とやり取りをしているだけでも心地がいい。
皆、真剣勝負なのが伝わってくるし、良い顔をしている人が作るものは、当然美味しい。
様々な食文化が集まり、それをリスペクトし合いながら食べる喜び、幸せを分かち合える場所。
少しオーバーかもしれないけれど、これもひとつの平和のかたちだと思う。
これからのロンドンでの食生活を確実に豊かなものにしれくれるであろうBorough Market。
当分はこのマーケットの虜になりそうな予感です。