2012年6月22日金曜日

気品ある美しいお方へ

(前回のつづき)

届いたメールによると、両陛下はロンドン市内のホーランドパーク内にある日本庭園を散策されるとのこと。

庭園内を歩かれる両陛下をイメージした途端、インスピレーションがキラキラ降って来て、夢中で手が動いていました。

皇后様にお花を携えて頂きたいー。

和装でも、どのような色合いのお洋服でも合いそうなものをー。

陛下の手術からも間もないこともあり、お二人共いつまでもお元気でいて頂きたいという祈りを込めてー。

おだまき:病に「勝ち」ますように。
すずらん:更なる「幸運が訪れ」ますように。。。


「なんと恐れ多いことを!」
と叫ぶもう一人の自分をよそに、

お渡し出来なくてもいい。
やってみなくちゃ分からないじゃない!
小さなお花ならそんなにご迷惑にならないだろうし。



出来上がった小さなクラッチブーケを娘に託し、いざ出発ー。

子連れの外出で準備に手子摺り、足早で駅に向かっていると、娘が突然つまづき転倒。

折角お気に入りの洋服でおめかししたのに、タイツの膝部分に大きな穴が。。。

この年頃(4歳児)の女の子というのは、人からどう見られるかが凄く気になりだす時期のようで、

「いやだ。これ脱ぎたい。」

と半べそをかく娘。

「その位置なら大人が上から見下ろして見えないから大丈夫だいじょうぶ!」

と、超テキトーなことを言う母。

(こういう時は、大人があまり深刻な顔をすると子供もネガティブになってしまうので、軽く流した方がいいのです。)

そんなこんなで、地下鉄を乗り継ぎ、一時間余りでホーランドパークに到着。

他の日本人奉迎者と共に日本庭園の出口で待ち構えていたのですが

こういう待ち時間というのは、親は子供のご機嫌とりに兎角神経を使うもの。

子供達の「まだ?まだ?」の大合唱と3号のぐずりを必死でなだめていると、

娘が携えた花を見た警備の若い男性が

「そのお花、皇后様に差し上げるの?」

と娘に尋ねられ、娘が頷くと、

「贈り物はご遠慮願います」

と言われてしまい、ここで再び娘のテンションが一気に下降。

「もうやだ!このお花持ちたくない!」

とご機嫌斜めに。。。
警備の人から言われて、お花を持っていることが恥ずかしくなってしまったのでしょう。

「お渡し出来ないのは残念だけど、仕舞う場所もないし、ママも赤ちゃん抱っこしてて荷物もあるし、それ、◯◯ちゃんにあげる。帰ったらお部屋に飾ってあげるから持ってて」

(ママだってショックよ〜。だって一生懸命作ったんだもの)と言いたかったのですが、その気持ちは押さえて、ここも敢えて軽く流す母。


諦めモードで立ち尽くしていると、日本庭園の散策を終えられたご夫妻の姿が!!

沈み気味だったテンションが一気に上昇し、前の列の奉迎者に丁寧にお声掛けをされるご夫妻の様子に暫し見とれていると、信じられないことが!!

皇后様が娘のブーケをご覧になって

「まぁ!」

と歩み寄られ、

「これは頂いてもいいの?」

と言って下さったのです。

「うちの庭に咲いた花で作りました。受け取って頂けますか?」

と私が申し上げると、

「まぁ、これは何のお花でしょう?」

と、聞かれ、

「おだまきや鈴蘭、スカビオサなどで作りました」

と私がご説明すると、ブーケをお持ちになって真っすぐ私の方をお向きになって、

「お元気でね」

と、神々しい微笑みをたたえながら、丁寧に、気さくにお声掛け下さったのです。

まるで夢と現実の狭間にいるかのような感覚で、暫くボーッとなった後ふと我に返り、少し離れた位置から皇后陛下の手元に渡ったブーケを改めて見て、思わず感極まってしまいました。


本当に、眩しい程の白い光を放たれておられました。



公園に着くまで山あり谷ありでしたが、最後は娘もすっかりご機嫌の様子で、インターネットので両陛下の訪英を伝えるニュース映像を見ながら、本当に貴重な体験をさせて頂けたことを改めて認識していたようです。


2012年6月21日木曜日

夢を与えてくれた魔法使いのおばあさん

 

これからお話させて頂くのは、今から丁度一ヶ月程前の出来事。

 末っ子をパジャマに着替えさせていると、お風呂場から上二人の兄妹のこのような会話が聞こえてきました。 

兄:「僕たちのお母さんは女王様じゃないから、◯◯(娘の名前)はプリンセスにはなれないんだよ。イギリス人でもないし。」 

妹:「えーっ。。。」

 兄:「それに、プリンセスになるのって大変なんだよ。色々検査(?)もされるし」

 数ヶ月前のロイヤルウェディングで、どうやら学校でも王室ネタで盛り上がっていたようで、いつの間にかこのような知識を仕入れて来た息子。 

そんな兄から突きつけられた現実に、軽いショックを受けていた娘。

 その明くる朝、娘のベッドを整えていると、魔法使いのおばあさんのお人形が布団の中からポロリと出て来ました。 
これまでこの人形と寝たことなんて一度もないのに。。。
 このお人形はシンデレラの登場人物が一式セットになったものの一つで、他にもシンデレラや王子様、いじわるなお姉さんがいるのに、なぜ魔法使い??? 
ふと疑問を抱いたものの、この時はそれ以上気にかけず、娘にもなぜ魔法使いと寝ているのかは聞きませんでした。 

それから3日後ー。

 子供達と参加している文庫クラブから、天皇皇后両陛下の訪英に際し、奉迎に参加して欲しいとのメールが届いたのです。

 母:「ねえ、天皇陛下と皇后陛下にお会い出来るかもしれないけど、行かない?皇后陛下は、日本のお妃様なんだよ!」 

娘:「でも、お妃様って怖いんじゃないの?」(シンデレラの影響でしょうか。。。) 

母:「日本のお妃様はとってもお優しい方だから大丈夫よ。それに、知ってる?皇后陛下は昔プリンセスだったのよ!本物の日本のお妃様(元プリンセス)にお会い出来るかもしれないよ!皇后陛下がプリンセスになられた時、あなたの大好きなお雛様と同じ十二単をお召しになったのよ!」 

そう話した瞬間、娘の瞳孔が一気に開きました。 

冷酷な兄によって壊されてしまった夢が、魔法使いのおばあさんによってキラキラと蘇えらされるような展開に。 
まさか民間出身の本物の元プリンセスが彼女の前に現れて下さるなんて、母は夢にも思いませんでした。 

(つづく)

2012年6月3日日曜日

Diamond Jubilee


今年はロイヤルウィディングに続き、女王陛下即位60周年を祝うイベント、更にオリンピックと、イベントが目白押しのイギリス。

この週末は女王陛下即位60周年イベントDiamond Jubilee Weekendということで、息子の学校ではそれに因んでティーパーティーが催されたのだとか。
なんでも、即位25周年はSilver Jubilee、50周年は Golden Jubileeと呼ぶそうで、、、
最近は2年生の息子から色々と教わるようになりました(笑)

そんなこんなでスーパーにはそれに因んだ商品が並んでおりまして、期間限定のラブリーなパッケージに弱い母は、あれこれ買い漁ってしまいましたよ。。。

Marks&Spencerオリジナルのショートブレッドにマカロン、Twiningsの紅茶。



こんな色のマカロン、見たことない!!


ロンドンの街中に英国旗が掲げられ、祝賀ムード一色です。

2012年6月1日金曜日

5月の庭 2012


ここ最近PCの調子が悪い上、日々の生活に追われ、すっかり更新を怠っておりました。。。 気温の上昇と共に、私自身も野生動物の如く活動的になっていて、あれこれ挑戦したり、ドラマチックな出来事に遭遇するなど、アウトプットしたいことはかなり溜っております。 ひとまず、5月が終わってしまう前に、5月の庭の様子をお届けします。


今年は去年に比べて、西洋オダマキの繁殖が凄まじく、庭が紫やピンクのお花畑のようになりました。


今月の新入りその① 八重咲きクレマチスのジョセフィーヌ。


甘い芳香を放つ鈴蘭。


今月の新入りその② ライラック。


まるで花火のようなヤグルマギク。


成長途中の、シダの葉先の渦巻きが好きです。 こうしたうずまき模様もそうですが、花びらが形作る五芒星や六芒星など、自然が織り成す幾何学的な美しさには生命の神秘を感じます。