2011年8月10日水曜日
私が自宅出産を選んだ理由 〜英国自宅出産体験記④〜
私が自宅出産に興味を抱くきっかけとなったのは、長男を妊娠していたおよそ7年前、当時勤めていた会社の先輩Mさんと食堂で交わしたやりとりでした。
ご自身の3人目のお子さんを自宅で出産された時のエピソード、
戦前の日本では自宅出産が当たり前だったのが戦後GHQの圧力により法律が変えられ、日本のお産婆さんの役割が理解されないまま産婆制度が解体されてしまったこと、
改革によって乳児・妊産婦死亡率が改善し、今まで助からなかった多くの命が救われるようになった一方で、
医療技術に頼り過ぎた管理過剰な分娩への疑問も妊産婦や医療関係者の間で生じ始めていること、
自然の営みという原点に立ち返った「自然なお産」が今注目されてきていること、
母乳育児が一筋縄ではいかないこと、
などなど、お産に関する様々なレクチャーを受け、既に妊婦でありながらお産について知らないことだらけだったことに軽いショックを覚えました。
その後妊娠6ヶ月でアメリカに渡り、今度は二人のお子さんを自宅で出産された元助産師のYさんと出会い、再び自宅出産の話や日本の病院の産科事情などを伺うこととなったのです。
Yさんとの出会いで更にお産の奥深さを知り、「自宅出産」という選択肢もあることを意識し始めたのですが、
この時は結局、慣れない異国の地での出産ということもあり、病院で出産。
経験豊富で誠実な産科医の元で安心して産むことが出来ました。
ただ今振り返ると、この時は初めてのお産で、異国の病院の雰囲気に完全に飲まれ「まな板の上の鯉」の様な状態だった気もします。
一人目を出産後、Mさんのご忠告通り、母乳育児の壁に早速ぶち当たることに。
この時私を救ってくれたのが元助産師のYさんでした。
「赤ちゃんのお母さんは美紀さんだけなんですから、自信を持って!」
この言葉にどれ程励まされたことか。。。
Yさんが心に寄り添ってケアして下さった御陰で、母乳育児を軌道に乗せることが出来ました。
その後Yさんは御主人の仕事の都合で日本への帰国が決まり、暫く会えない状態に。
その間に私は二人目を出産。
二人の子供達にそれぞれ1年半、トータルで3年間の授乳生活をする中で、自分の中の野生がかすかに目覚めはじめました。
そうして去年、夫のロンドンへの赴任が決まると同時に三人目の妊娠が発覚。
イギリスの出産事情を調べているうちに、国立病院(NHS)専属の助産師のもとでで自宅出産を選択出来ることを知り、
「今度こそ自分の巣で産んでみたい!」という思いが一気に沸き上がってきました。
更にそんな折、なんとYさんご一家も日本からロンドンへ赴任されることになり、この地で4年振りの再会を果たすこととなったのです。
このタイミングでYさんが再び私の傍に現れるだなんて!
もう、これは導かれてるとしか思えない。
やるしかないでしょう!!
このような具合に、私の「イギリス自宅出産計画」が進み始めました。
〜次回につづく〜
*写真は、Yさんが贈って下さったダイパーケーキです。(アメリカではベビーシャワーのお祝いにオムツで作ったケーキを贈る習慣があります)
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